お寺の顔、襖を美しく荘厳に。
この度は、あるお寺様より内陣と外陣を仕切る大切な襖の張替えをご依頼いただきました。
元々は松と鶴が描かれた絢爛な襖絵でしたが、絵の具の剥がれや和紙の亀裂など、損傷が激しい状態でした。そこでご住職様が関心をお寄せになったのが、お寺の紋をあしらった「紋押し襖紙」です。
豪華な絵柄とはまた違う、凛とした気品と洗練された美しさが紋押し襖紙の魅力。紋の一つひとつが、お寺の由緒と歴史を静かに物語ります。
張り替え後は、周囲の豪華な彫刻欄間とも見事に調和。お参りに来られる檀家の皆様も、きっと我が寺の素晴らしさを再認識されることでしょう。福井県でお寺の襖修繕をお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。
張り替え代 ※2025年8月時点
- 紋入れ
- 《金色 本願寺派下がり藤紋サイズ:9寸 5つ》7,150円(税込)/1枚
- 張り替え手間代(材料込み)
- 《浮け紙:生漉き紙使用 襖紙:特漉き3号紙》11,000円(税込)/1面
- その他
- 注:シルクスクリーン版型無しの場合、別途版型の製作代が掛かります。
施工前・作業の様子
完成
聖域の品格を未来へ。ご住職の決断に寄り添った、紋押し襖紙への張替え
寺院における襖は、単なる間仕切りではありません。俗世と聖域を分ける結界であり、そのお寺の顔として、歴史と格式を象徴する重要な存在です。だからこそ、その維持管理には特別な配慮が求められます。私たち丸山表具店は、福井県越前市にて、そうした寺社仏閣の特別なご依頼にも、伝統の技と真摯な心でお応えしております。
歴史を物語る襖絵と、修復の大きな壁
今回ご依頼いただいたのは、本堂の内陣と外陣とを隔てる襖の張替えでした。張り替える前の襖には、四枚続きで見事な松と鶴が描かれており、その重厚感と華やかさで、長きにわたり空間を荘厳に彩ってきたことがうかがえました。
しかし、間近で拝見すると、顔料(絵の具)の剥落や、絵が描かれた和紙自体の亀裂が随所に走り、損傷は著しい状態でした。もちろん、この歴史ある襖絵を修復するという選択肢もございます。ですが、そのためには膨大な時間と費用を要することは明らかでした。お寺の未来を考えたとき、どのような選択が最善なのか。大きな課題がそこにありました。
ご住職の想いを形にする「紋押し襖紙」という選択
そんな折、元請け様を通じて『ご住職様が、寺紋をあしらった「紋押し襖紙」にご興味をお持ちだ』というご相談をいただきました。私たちはすぐに、紋の意匠や大きさ、金や銀といった色の選定、そして襖への配置(数)による印象の違いなどを、具体的な資料と共にご説明させていただきました。
そして、襖絵を修復するのではなく、新たに『紋押し襖紙』へ張り替えるという方針が決まりました。先代から受け継がれてきた襖絵を手放すことは、ご住職様にとって言葉に尽くせぬほど重いご決断であったと拝察いたします。そのお気持ちに、私たちは最高の仕事でお応えしなくてはならない。職人として、改めて身の引き締まる思いで作業に臨みました。
絢爛さから、洗練された荘厳美へ
新しい襖が納められた本堂は、以前とは質の異なる、静かで気高い空気に満たされました。襖絵が放っていた絢爛豪華さとは違い、紋押し襖紙は、凛とした品格と洗練された美しさを湛えています。金色の寺紋は、決して声高に主張することはありません。しかし、その一つひとつが、このお寺が歩んできた永い歴史と由緒を、何よりも雄弁に物語っているのです。
そして特筆すべきは、周囲の意匠との調和です。豪華な彫刻が施された欄間や、柱や天井の鮮やかな彩色。それら既存の素晴らしい装飾と新しい襖が反発することなく、互いの美しさを引き立て合い、空間全体の荘厳さが見事に高まりました。
きっと、お参りに来られる檀家の皆様も、この新たな襖を前にして、改めてご自身のお寺が持つ素晴らしさ、そしてそれを守り続ける人々の想いに、心からの感動と感謝を抱かれることでしょう。
和の暮らしを、今に受け継ぐ。丸山表具店のご提案
福井県内および近隣の寺社仏閣の維持管理ご担当者様。襖や屏風の修理・新調でお悩みの際は、ぜひ一度、丸山表具店にご相談ください。歴史と想いを尊重し、未来へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。
作業の様子・動画